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2005年2月24日 (木)

働くということ

■ 書籍情報

働くということ   【働くということ】

  日本経済新聞社 (編集)
  価格: ¥1,575 (税込)
  日本経済新聞社(2004/09/18)

 日経の一面に長期連載されたものを再構成した本です。
 元が新聞記事であるだけに、著者の主張を前面に押し出すというよりも、ひたすら事実を並べる、という姿勢に徹しています。もちろん、書く側の思い入れは通常の新聞記事よりも相当強く、そういった意味では「事実をありのまま伝える」というものではないかもしれませんが・・・。
 特に力が入っているのは、新卒~第二新卒の辺りの「入口」世代と中高年~退職後の「出口」世代です。「入口」の話では、ニートやポスドクなど、入口にすら立てない人が多く取り上げられています。
 ・仕事に就きたくないし勉強も嫌い=「ニート」
 ・仕事に就きたくないけど勉強は得意=「ポスドク」
という感じなんでしょうか。
 一方で、「出口」の話では、退職後に居酒屋を開いた裁判官や、給料はなくてもいいから働きたいという92歳のエンジニアの話などが取り上げられています。
 「働く」ということを立体的に描き出すために、その「縁(エッジ)」の部分に光を当てているということなのでしょうか。
 元々が、新聞一面の一つのコーナーだったものを集めているので、通勤電車の中で読むには都合がよいと思います。


■ 個人的な視点から

 印象に残ったのは「痛勤電車研修」のエピソードです。島根県のソフト会社の新入社員が、2ヶ月間の技術研修中、「通勤」などの都市生活も併せて体験するというものです。田舎育ちののんびりした社員に全国区の競争速度を知ってほしい、というのが社長の考えだということです。

 これは公務員、特に地方公務員にはぜひ体験させたいですね。地方の県や市町村の職員が東京に行く機会としては、東京事務所勤務や省庁への派遣、自治大学校研修、民間企業派遣研修などがありますが、「全国の民間企業の競争速度を知る」という意味ではあまり機能していません。そもそも規模が小さすぎます。また、遠方から派遣される場合は、住居も一等地に丸抱えで借り上げてあり、乗り換えもなく通勤できてしまったり、高額な手当てが追加支給されていたりしていて、まるで「外交官」のような待遇で送り出されてくることもあります。これでは「大名屋敷」と変わりません。

 とは言え、研修名目で何十人も働き盛りを東京に送り出していたのでは、本体の方が回らなくなってしまいますので、別の方法を考えなければなりません。一つ思いついた方法としては、「営業」要員として東京に1~2ヶ月単位で滞在させる、という方法はできないものかと思います。当然、住居は「痛勤」研修の意味を含めて片道1時間くらいかかる場所にします。
 農産物の販促や企業誘致など、東京からはるか離れた地元からパンフレットを送りつけるだけでは「顧客」の顔が見えません。また、東京事務所の担当者が一人何役かをこなすだけでは顧客の声は地元にはなかなか伝わりません。地元で生産者や現地のことをよく知っている担当者が、東京滞在中にできるだけ現在の顧客と未来の顧客の声を聴いて回り、東京の生活、文化のスピードを体験して来ることができれば、地元での「本業」にも大きなプラスになります。わずかばかりの「庁内エリート」に大名暮らしをさせるために金を使うくらいならば、こちらの方がよっぽど有効なのではないでしょうか。


■ どんな人にオススメ?
 ・社会に出ることを目前に控えた学生
 ・社会に出てから「こんなはずじゃなかった」と考えてしまった人
 ・もうすぐ「会社」から「社会」に出て行こうとする人


■ 関連しそうな本

 玄田 有史 『仕事のなかの曖昧な不安―揺れる若年の現在』
 金井 壽宏 『働くひとのためのキャリア・デザイン』 2005年01月30日
 田尾 雅夫 『会社人間はどこへいく―逆風下の日本的経営のなかで』 2005年02月27日


■ 百夜百マンガ

Dr.コトー診療所【Dr.コトー診療所】

 個人的な話ですが、一昨日から「ウイルス性結膜炎」というものにかかりまして、昨日は39℃の熱を出してウイルスと戦っておりました。ということで、本日の配信が遅れましたことをお詫びいたします。日々在庫無しの自転車操業です。

 ということで、医療マンガを選んだんですが、『ホスピタル』『ドクター秩父山』のような人の道を外れたものや、『ブラック・ジャック』『スーパードクターK』のような超人モノでもない、普通の淡々とした医療マンガです。

 ところで、『もっけ』(熊倉隆敏)と山田貴敏の絵はよく似ているように感じているのですが、やっぱり、弟子だったりするのでしょうか。これにかぎらず、漫画家の師匠=弟子関係を家計図みたいにしたら面白いと思うのですが、そういうのってどこかにないでしょうか?

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