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2005年2月 2日 (水)

フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか

■ 書籍情報

フリーエージェント社会の到来   【フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか】

   ダニエル ピンク (著), 池村 千秋 (翻訳), 玄田 有史
   価格: ¥2,310 (税込)
   ダイヤモンド社(2002/04)

 本書では、「フリーエージェント」を「決められたひとりの上司の下で働くのではなく、大きな組織のくびきを離れて、複数の顧客を相手に、自分にとって望ましい条件で独立して働く人たち」と定義しています。
 フリーエージェントには大きく3つのタイプがあり、


  • フリーランス:特定の組織に雇われずに様々なプロジェクトを渡り歩き自分のサービスを売る
  • 臨時社員:本人の意図ではない場合が多く、「テンプ・スレーブ!」などの雑誌もある
  • ミニ起業家:多くが従業員5人未満の極めて小さな企業

の3つに大別されます。
 「共通サイズの服」を着たオーガニゼーション・マンに代表される「テーラー主義」の社会から、「自分サイズの服」を着る「テーラーメイド主義」の社会、すなわちフリーエージェント社会を提唱しています。


■ 個人的な視点から

 組織の内部か外部を問わず、フリーエージェント的なキャリア観がこれから不可欠になってくると考えられます。
 すなわち、本書で「レゴ型のキャリア」と表現されている、「コネや技能、意欲、機会などのブロックを使って、自分なりのキャリアの積み木をつくり、やがてまた新しい積み木をつくり直していく」ようなキャリア観です。

 これは他の言葉を使えば「キャリアデザインのモジュール化」と言うこともできます。青木昌彦は、「モジュール化」を次のように定義しています。


半自律的なサブシステムであって、他の同様なサブシステムと一定のルールに基づいて互いに連結することにより、より複雑なシステムまたはプロセスを構成するものである。そして、一つの複雑なシステムまたはプロセスを一定の連結ルールに基づいて、独立に設計されうる半自律的なサブシステムに分解することを「モジュール化」、ある(連結)ルールの下で独立に設計されうるサブシステム(モジュール)を統合して、複雑なシステムまたはプロセスを構成することを「モジュラリティ」という。

 そして、モジュール化が脚光を浴びている可能性として以下の3つの可能性を挙げています。


  1. 複雑なシステムを分解してできる(あるいは複雑なシステムを構成する)モジュール自身が複雑なシステムである。
  2. モジュールの連結ルールが進化する。
  3. いったんモジュール間の連結ルール、ないしはボールドウィン=クラークのいう「目に見える(visible)」設計ルールが定まると、ここのモジュールの設計やその改善は、他のモジュールの設計やその改善から自立して行われうるようになる。

 この「モジュール化」という観点からキャリアデザインを考えると、フリーエージェントという働き方が、単にITの進化によって自宅でも仕事ができるようになった、というだけではなく、経済システムの複雑化という時代の要請に対応した働き方であるということが理解されるのではないかと思います。

 もちろん、単に資格証を集めるだけではプロとして仕事ができるわけではありませんが、これまでの、言わば「文脈的なキャリアデザイン」と「モジュール化されたキャリアデザイン」は、デジタル家電(各モジュール間の文脈的な「すり合わせ」が要求される)とPC(アンバンドリングされた各パーツ自体の性能が重視される)のように、その境界を変化させながら共存していくのではないかと考えられます。


■ どんな人にオススメ?
 ・自分の人生と仕事の両方を充実させたい人
 ・今の仕事から逃避したい人にはオススメしません


■ 関連しそうな本

 秋山 進, 山田 久『インディペンデント・コントラクター 社員でも起業でもない「第3の働き方」』
 青木 昌彦, 安藤 晴彦『モジュール化―新しい産業アーキテクチャの本質』
 尾高 煌之助, 都留 康 (編)『デジタル化時代の組織革新―企業・職場の変容を検証する』
 日本経済新聞社 (編)『働くということ』 2005年02月24日
 玄田 有史『仕事のなかの曖昧な不安―揺れる若年の現在』


■ 百夜百マンガ

AKIRA【AKIRA】

 ヤンマガに連載(1982-1990)されていた当時は、途中からでは話の流れがぜんぜん分からず読み飛ばしていました。「主人公のAKIRAがなかなか出てこないじゃないか!」とか思うくらい途中からの参入障壁は高かったわけです。
 あとから単行本で読み始めたら止まらなくなってしまい、一気に読んでしまいました。(最近は同じようなパターンで「ジョジョ」にはまっています。)
 大友作品を初めて読んだのは『気分はもう戦争』だったこともあり、きちんと書き込まれたキャラクターよりも「どくだみ荘」的な独身だめ男キャラのチョイ役が好きだったりします。

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