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2005年4月16日 (土)

行政人材革命―“プロ”を育てる研修・大学院の戦略

■ 書籍情報

行政人材革命―“プロ”を育てる研修・大学院の戦略   【行政人材革命―“プロ”を育てる研修・大学院の戦略】

  上山 信一, 梅村 雅司
  価格: ¥2,500 (税込)
  ぎょうせい(2003/09)

 本書は、行政における”プロ”を育成するための人材育成について、ともに「公務員→外資系企業→教育」のキャリアをたどった二人の著者が、戦略と実証分析を展開しているものです。
 大きく2つのパートに分けることができ、「第1部 行政の人材育成を問い直す」では、経営課題としての人材、自治体の研修・人材開発の調査・分析、日本版行政大学院や行政経営スクール構想などの、これからの行政人材の育成のあり方について展開されています。「第2部 行政大学院の選び方と活用法」では、米国の行政大学院と日本国内の大学院の体験記を中心に、行政大学院を自分のキャリアデザインの中でどのように位置づけるか、行政大学院に何を求めるか、を解説しています。また、付録の「日米大学院データブック」は、これから大学院進学を考える人にとっては貴重な資料になることでしょう。
 「自分は将来なにものになりたいのか」ということを考え始めた公務員には、ぜひ一度手に取ってもらいたい一冊です。


■ 個人的な視点から

 本書の前半部分、人材戦略や調査・分析などはもちろん読むとなるほどと思うだけのものではあるのですが、本書で一番読み応えがあるのは、8人の米国留学体験記と8人の国内大学院体験記の部分だと思っています。行政大学院に関する断片的な情報はネットや他の文献で収集することができても、これだけまとまった生の声を読む機会はなかなかないのではないでしょうか。
 米国留学体験記の筆者は、組織に属さず自費で留学した人が4人、組織から公費で派遣された人が4人(国2人、自治体2人)となっていて、留学時の年齢も20代から30代後半まで幅広く、様々な読者にとって自分の身に引き戻して考えやすいのではないかと思います。
 国内大学院体験記の筆者は、自費が4人、派遣が4人となっています。特に、読んでいて面白いのは、昼間は自治体で仕事をしながら、夜は大学院に自費で通学した3人の体験記です。週何日通学したか、どのくらいの時間勉強したか、職場の理解は、キャリアの中での位置づけは、等、身銭と睡眠時間を切って勉強している人の話は切実さが違います。キャリアとの関連では、豊中市役所の佐藤さんは、高崎経済大学に研究者として転身されています。
 地方公務員法の改正によって、大学院通学のための部分休業制度(無給)が新設され、夜間大学院に通学する公務員が増えることが考えられますが、制度創設前に、睡眠時間を削りながら(広島県庁の白川さんは平日3時間睡眠)単位を取得し、修論を書き上げた「先人」達の経験は必ず読んで役に立つものだと思います。
 最後に、付録の「日米大学院データブック」は2003年2月現在のものになっていますが、できることならば、誰か随時アップデートしてくれるとありがたいと思います。この部分だけは最新データであることが重要になるので、著者のWebサイト(http://www.new-public.org/)に最新版が掲載されていれば、ネット経由で本の宣伝になるのではないかと思うのですが。


■ どんな人にオススメ?

 ・大学院進学、特に仕事をしながら自費で通学しようと考えている公務員。


■ 関連しそうな本

 稲継 裕昭 『日本の官僚人事システム』 2005年02月10日
 金井 壽宏 『働くひとのためのキャリア・デザイン』 2005年01月30日
 日本経済新聞社 (編) 『働くということ』 2005年02月24日
 山内 弘隆, 上山 信一 (編著) 『パブリック・セクターの経済・経営学』 2005年03月01日


■ 百夜百マンガ

要塞学園【要塞学園】

 「全国からワル(不良)が集められた学園」という設定は、古くは『青春動物園 ズウ』から『私立極道高校』、『風林火嶄』と色々あるのですが、「ワル」というよりも怪獣モノ・・・?
 ダイナミックで個性的な描線はページをはみ出す勢いです。

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