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2005年7月14日 (木)

人事異動

■ 書籍情報

人事異動   【人事異動】

  徳岡 晃一郎
  価格: ¥714 (税込)
  新潮社(2004/09)

 本書は、日本企業で働くサラリーマンにとって、最大の関心事である「人事異動」について、人事異動の現場の今・昔を現場感溢れる分析と簡潔な解説によってまとめ、併せて、知識創造の観点から人事異動のあり方を再検討したものです。
 本書前半の人事異動の解説は、人事の現場やキャリア論の知識がない人にとっては簡潔にまとまっていて、「なるほど」と思わせるものだと思います。「土管管理職」「粒々族」「その日暮らし」などのネーミングは、面白いとは思うものの、せいぜい研修講師の話のマクラ程度ではないかと思います。また、「異動用語の基礎知識」は簡潔にまとまっていますが、著者ならではというものではありません。
 本書の真髄は、後半部分のSECI(セキ)プロセスと人事異動とのリンクです。これまで、人事やキャリア論に関する研究の中での「企業特殊的知識」や、知識創造に関する研究の中での現場での議論の重要性が、それぞれ個別に語られてきましたが、人事異動と知識創造を明示的にリンクさせ、読みやすい新書にまとめている点に本書の価値があると思います。


■ 個人的な視点から

 本書が読者、特にサラリーマンの読者を惹きつけるのは、冒頭のマクラの部分、現実の職場で交わされているような会話ではないかと思います。これは著者自身が日産自動車という典型的な日本企業での勤務経験があるからではないかと思います。
 「序、考えない組織、考えない人々」、「1、多様化する人事異動」、「2、人事部の功罪」の部分までは、著者のサラリーマン経験に基づいたリアリティのある会話が再現されています。本書をベースに講演や研修を行うとすれば、この前半部分は聴衆(特にサラリーマン)をぐっと惹きつける部分なのではないかと思います。
 後半部分が難しい、と思った方はさらっと読み直したり、そこで挫折したとしても、前半部分の面白さが大きく印象に残るのではないかと思います。


■ どんな人にオススメ?

・人事異動に関心を持っている人。


■ 関連しそうな本

 野中 郁次郎 『知識創造の経営―日本企業のエピステモロジー』 2005年03月02日
 野中 郁次郎, 竹内 弘高 (著), 梅本 勝博 (翻訳) 『知識創造企業』
 野中 郁次郎, 紺野 登 『知識経営のすすめ―ナレッジマネジメントとその時代』
 エドワード・P. ラジアー (著), 樋口 美雄, 清家 篤 (翻訳) 『人事と組織の経済学』 2005年04月05日
 八代 尚宏 『日本的雇用慣行の経済学―労働市場の流動化と日本経済』 2005年03月23日
 稲継 裕昭 『日本の官僚人事システム』 2005年02月10日


■ 百夜百マンガ

おはよう!スパンク【おはよう!スパンク 】

 私はつい最近までスパンクはウサギだと思ってました・・・。
 そして、今日まで『おジャ魔女どれみ』の作者ということも知りませんでした。息の長いマンガ家さんなんですね。

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