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2005年7月12日 (火)

人材育成の進め方<第3版>

■ 書籍情報

人材育成の進め方<第3版>   【人材育成の進め方<第3版>】

  桐村 晋次
  価格: ¥872 (税込)
  日本経済新聞社第3版 (2005/05/14)

 本書は、永年、企業で人事の実務に携わってきた著者による、実践的な人材育成のテキストです。初版が1985年ということもあり、基本はあくまでオーソドックスなところにありますが、今回の改訂(第3版)にあたり、キャリア形成、リーダー養成、非正規雇用者の能力開発、カウンセリングの部分を大幅に強化し、より現場のニーズに即したテキストにアップデートしています。
 しかし、本書の強みは前の版から引き継いでいる部分、つまり、
・第1章「企業と人材育成」
・第2章「OJTの進め方」
・第3章「集合研修の進め方」
の部分にあるのではないかと思います。どれほどキャリア論の研究が進んだとしても、やはり、従業員に最も大きな影響を与え、最も親身になって気付きを与えてくれるのは上司です。本書には、著者の長い企業人としての経験に基づいた、上司から学ぶことができること、上司が部下をどのように見ているか、そして、どのような失敗に陥りやすいか、などが自信を持って書かれています。この自信が、読者に安心感を与えているのだと思います。
 もちろん、最新の理論や雇用環境の変化のフォローも重要です。特に、人事や研修など人材育成に携わる人のための入門書という本書の位置づけにおいては、最新の情報がフォローされていることは価値がありますが、それでも、本書のコアの部分は前の版から受け継がれた前半部分にこそあるのではないかと考えます。


■ 個人的な視点から

 研修の担当者というのは、その仕事の性質上、常に新しい理論、情報に接しているためか、「新しい物好き」になりがちな部分があります。もちろん、体系的にきちんと導入しているところもありますが、コンピテンシーやリーダーシップ養成など、新しいテーマに場当たり的に飛びつきやすいところもあります。特にリクルートワークス研究所の『Works』とかを読むと、「今さらこんなやり方でいいんだろうか。時代遅れなんじゃないか。」「あれもやりたい、これもやりたい。」という気持ちに急かされてしまいます。
 しかし、本書を読むと、やはり人材育成の基本は上司であり、職場であることに気付かされます。人事や研修の担当者にはぜひ読んで欲しい一冊です。


■ どんな人にオススメ?

・研修担当者必読。


■ 関連しそうな本

 上山 信一, 梅村 雅司 『行政人材革命―"プロ"を育てる研修・大学院の戦略』 2005年04月16日
 金井 寿宏 『リーダーシップ入門』 2005年03月31日
 C.I.バーナード (著), 山本 安次郎 (翻訳) 『新訳 経営者の役割』 2005年03月29日
 高橋 伸夫 『経営の再生[新版]―戦略の時代・組織の時代』 2005年06月10日


■ 百夜百マンガ

岸和田博士の科学的愛情【岸和田博士の科学的愛情 】

 マッドサイエンティストものの下ネタギャグを精緻な絵でやらかしてしまうところは、さすがトニーという感じです。
 ストーリーはないんですが、安川くんと大塚長官の性格が破綻していて、毎回楽しみでした。

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