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2005年12月 6日 (火)

ジェンダー・マネジメント―21世紀型男女共創企業に向けて

■ 書籍情報

ジェンダー・マネジメント―21世紀型男女共創企業に向けて   【ジェンダー・マネジメント―21世紀型男女共創企業に向けて】

  佐野 陽子, 志野 澄人, 嶋根 政充 (編著)
  価格: ¥3,360 (税込)
  東洋経済新報社(2001/04)

 本書は、「社会的に固定化された男女差」を意味する「ジェンダー」を企業としてどのようにマネジメントするか、という問題について、経営学や社会学、特に人的資源管理や労働経済学を専門とする執筆陣が、企業経営の多様な側面から分析を行っているものです。
 本書の特徴は、企業における実例をふんだんに取り入れていること、そして、「ジェンダー=女性の問題」と受け取られがちなこの分野において、男性のジェンダーにも着目した分析を行っていることです。構成は大まかに2部に分かれていて、「第1部 ジェンダー企業の現在」では、リクルートやジャスコ、日本IBMなどジェンダー・マネジメントに積極的に取り組んでいる企業や就職活動におけるセクハラや圧迫面接の実例を中心に、日本企業での取り組みの現状を紹介しています。「第2部 現代経営と女性のキャリア形成」では、学生の就業意識や女性企業家、コース別人事など個別のテーマについて踏み込んだ分析を行っています。
 本書の分析は、ジェンダーについての問題意識からではなく、企業としてのマネジメントの視点を出発点にしていますので、よくある教条的なフェミニズム本には馴染めない、という人でもすんなり読めるのではないかと思います。


■ 個人的な視点から

 本書で印象に残ったのは、就職活動におけるセクハラとパワハラ(圧迫面接)について述べている「第2章 男女の就職と初期キャリアの形成」です。ここでは、女子学生が資料請求や説明会で不利な扱いを受けた例や、言動によるセクハラ(「男と遊び放題だね」や「周りの男がほっとかないでしょう」など)の例、そして、圧迫面接に関する予備知識を持たなかった女子学生が、徹底否定と人格攻撃を受け、深い自己嫌悪に陥り、パニックのまま帰途に着き、踏み切りで飛び込もうと電車を待っているところで我に返り、その後も10週間近い不眠と食欲不振に陥った、という例です。最後の例は必ずしも女性に限らない話ではありますが、圧迫面接の後には面接の意図を説明する「ディフリージング」(種明かしをして心理的負担を取り除くこと)を行わなうべきである、という著者の意見には同感です。


■ どんな人にオススメ?

・ジェンダーにまつわる問題で途方にくれている人。


■ 関連しそうな本

 赤岡 功, 長坂 寛, 渡辺 峻, 筒井 清子, 山岡 煕子 『男女共同参画と女性労働―新しい働き方の実現をめざして』 2005年09月08日
 ロザベス・モス カンター (著), 高井 葉子 (翻訳) 『企業のなかの男と女―女性が増えれば職場が変わる』 2005年10月11日
 八代 尚宏 『日本的雇用慣行の経済学―労働市場の流動化と日本経済』 2005年03月23日
 エドワード・P. ラジアー (著), 樋口 美雄, 清家 篤 (翻訳) 『人事と組織の経済学』 2005年04月05日


■ 百夜百マンガ

あたしンち【あたしンち 】

 新聞マンガと言えば、「コボちゃん」や「ののちゃん」などがアニメ化されていますが、日曜版からアニメ化された例は少ないのではないかと思います。

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