« 数の民族誌―世界の数・日本の数 | トップページ | コーポレート・ガバナンスと人的資本―雇用関係からみた企業戦略 »

2006年3月 6日 (月)

翔べ!女性職員―自治体の明日を拓く元気なメッセージ

■ 書籍情報

翔べ!女性職員―自治体の明日を拓く元気なメッセージ   【翔べ!女性職員―自治体の明日を拓く元気なメッセージ】

  自治研修協会地方自治研究資料センター
  価格: ¥1,260 (税込)
  第一法規出版(June 2000)

 本書は、全国の自治体で活躍する34人の元気な女性職員たちのメッセージが収められたものです。
 「山より大きな猪の出た例しはない」という言葉を唱えながら、大阪府の生活文化部長として阪神大震災の災害対策本部事務局長の任に当たった藤井龍子氏は、女性職員が「ガラスの天井」を破って進むためのアドバイスとして、堀田力氏の著書から、以下の3点を紹介しています。
(1)モデルから盗め:なるべく多くの管理職先輩のやり方を観察し盗む。
(2)専門分野を持つこと:一所懸命に愛情と使命感を持って仕事に当たり、自他共に認めるその道の専門家になる。
(3)人間関係ネットワークを拡げる:公共部門はどうしても人間関係重視、人の和最優先の傾向が強い。
 本書に登場するメッセージには、いくつかの共通点があります。一つは、昇任試験や重要ポストへの抜擢をきっかけに自分のキャリアを意識したというものです。
 北九州市の長谷川氏は、補助的業務や窓口が女性職員の仕事だった時代に、係長昇任試験を受験し、係長の上に課長職がある、ということに始めて気づいたことを語っています。女性職員にはお手本となる先輩がいなかったのです。福井県の若林氏は、女性の吏員が皆無であった時代に、吏員昇任試験を受けた経験を語っています。
 福井県の有賀氏が、採用試験を受けた時には、「事務職A・B」の区分があり、女子は庶務を担当するB職しか受験できなかったことが語られています。これも、今の人には全く想像もつかない話でしょう。有賀氏は、偶然、総合農政課の予算担当を経験することでその後の人生が変わった経験を例に、若いうちに多くの経験をすべきこと、職員を「個人」として捉えることに意識的に慣れる必要があること、の二点を述べています。
 この他、
・異例の女性課長への抜擢:高木氏(豊田市)
・本庁事務職初の女性係長への抜擢:稲本氏(岡山県)
・係長から課長職への三段跳びの抜擢:植田氏(小田原市)
などの体験が語られています。
 もう一つのきっかけは、研修、特に自治大学など、組織を離れて長期間「同じ釜のメシを食う」タイプの研修です。
・自治大学校派遣:櫻庭氏(北海道)、宮本氏(広島県)
・市役所内の「社会人大学」:長田氏(岩国市)
・大学院への派遣:稲葉氏(埼玉県)→埼玉大学大学院政策科学研究科(現在の政策研究大学院大学の前身)、西澤氏(元広島県)→広島大学大学院国際協力研究科
・海外視察研修:原氏(鎌倉市)
 この他、堺市の肥田氏は急遽自治体女性管理監督者研修会の講師を引き受けたことをきっかけに学ぶ楽しさを知ったと語っています。
 女性職員が能力を発揮することは、組織としての能力発揮という意味で重要であることはもちろんですが、一人一人の人生としてミクロに語られた本書を読むと、人が自分の能力を活かすことができるということがいかに素晴らしいことかが伝わってきます。


■ 個人的な視点から

 北海道の櫻庭氏は、若い頃の思い出として、至急扱いの電報である「ウナ電」という言葉を、「うなぎのような長い電報」の略称だと勘違いして恥をかいた経験を語っていますが、FAXやメールが普及し、今の若い人(私も含めて)は「ウナ電」という言葉は聞いたこともないと思います。
 では、この「ウナ電」とはどんな意味なのでしょうか。
 「郵便局を256倍使うためのFAQ」によると、至急電報には英文で至急を意味するUR(Urgent) をつけていたのですが、「英文モールスのURは「・・-・-・」で和文モールスのウナ」ということで、「ウナ電」となったそうです。
http://www17.tok2.com/home/yukiko/postal/3-090.htm
 「/.jp」によると、同じようなものとして、
・「ムナ」(書留電報)
・「チラ」(追尾電報)
・「タラ」(夜間配達指定)
・「ヨナ」(翌朝配達指定)
等があるそうです。
http://slashdot.jp/mobile/05/05/07/2128217.shtml?topic=97


■ どんな人にオススメ?

・自治体の女性職員と
・女性職員と一緒に仕事をやっていきたい人。


■ 関連しそうな本

 佐野 陽子, 志野 澄人, 嶋根 政充 (編著) 『ジェンダー・マネジメント―21世紀型男女共創企業に向けて』 2005年12月06日
 ロザベス・モス カンター (著), 高井 葉子 (翻訳) 『企業のなかの男と女―女性が増えれば職場が変わる』 2005年10月11日
 赤岡 功, 長坂 寛, 渡辺 峻, 筒井 清子, 山岡 煕子 『男女共同参画と女性労働―新しい働き方の実現をめざして』 2005年09月08日
 佐藤 博樹, 武石 恵美子 『男性の育児休業―社員のニーズ、会社のメリット』 2005年04月07日


■ 百夜百マンガ

ジーザス【ジーザス 】

 学園生活に紛れ込んだ血なまぐさい主人公、という設定はよく見かける設定ではあるのですが、この作品は、まさにそのギャップがメインの面白さです。ギャグマンガとかにもそういう過去を背負った先生とか出てきます。
 そういえば、『コブラ』も海賊であった過去と記憶を捨ててサラリーマンとして顔を変えて生きていた主人公として登場します。

« 数の民族誌―世界の数・日本の数 | トップページ | コーポレート・ガバナンスと人的資本―雇用関係からみた企業戦略 »

キャリアデザイン」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1244312/30598694

この記事へのトラックバック一覧です: 翔べ!女性職員―自治体の明日を拓く元気なメッセージ:

« 数の民族誌―世界の数・日本の数 | トップページ | コーポレート・ガバナンスと人的資本―雇用関係からみた企業戦略 »

2016年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

最近のトラックバック

無料ブログはココログ