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2006年10月12日 (木)

新米パパは育休さん ~仕事と育児の両立をめざして~

■ 書籍情報

新米パパは育休さん ~仕事と育児の両立をめざして~   【新米パパは育休さん ~仕事と育児の両立をめざして~】

  石井 憲雄
  価格: ¥1000 (税込)
  産経新聞出版(2006/4/26)

 本書は、山形県庁の職員である著者が8ヶ月間育休を取った、8ヶ月間育休を取った経験を、「千育休(せんのいっきゅう)」というペンネームで綴った、毎日新聞のwebサイトの連載をまとめたものです。
 男性が育休を取ることへの反応としては、市が主催する育児教室の対象者が「乳児とそのお母さん」となっていることに、問い合わせをして前代未聞の出来事に担当者が返答に困ったことや、この連載をきっかけに、市の男女共同参画式典にパネリストとして招かれ、男性の育児休業取得に尽力した赤松良子元文部大臣(元労働省婦人少年局局長)と同席し、連載のプリントアウトを渡したこと等が語られています。
 また、平日の昼間に子供を散歩に連れて出ると、道で会った近所のおばさんが、突然親しげに話しかけてきて、町中の人が突然イタリア人のように愛想良くなったエピソードを紹介し、子供を連れて歩く楽しさを語っています。
 育休をとって気づいた育児の大変さに関しては、「赤ちゃんをお風呂に入れるというのはかなりの重労働」であるとして、夫婦2人がかりでの作業を説明し、「女性1人ではさぞかし大変だろう」「核家族で夫の帰りが夜遅い家庭では、一体どうやってお風呂に入れているのだろうか」と語っています(慣れれば自分が湯船に入らなくても普通に洗えるので心配もないと思いますが)。さらに、10倍粥やカボチャのポタージュ、ジャガイモと麩の煮物などの離乳食教室に参加し、お粥を煮込んだり、カボチャを裏ごししたりする手間のかかる作業に、「およそこの世の先輩ママたちが、たとえ愛しいわが子のためとはいえ、この面倒極まりない地道な作業を当然のごとくこなしてきたのだとすると、本等に頭の下がる思いである」と語っています(個人的にはそんなに手間かけてやる人は少ないと思いますが)。
 そして、子育ての制度については、著者が育休を11月末までにした理由のひとつとして、冬のボーナスの基準日である12月1日に在職していないとボーナスをもらえないことを挙げています。また、育休中の休業給付金や共済組合の掛金免除が、満1歳までしか受け取れないこと等、実際に育休を取ろうと思った人にとって、給与や福利厚生の制度をよく調べておくことの大切さを語っています。
 さらに、男性職員の育休がほとんど想定されていないような労働環境下では、法令上整備されていても、よほど"ずうずうしい"者でないと実際に取得に踏み切ることは難しいという実態を語るとともに、職場復帰後、保育園への送迎と本庁への人事異動という環境変化に対応するため、育児時間を利用するようになったことや、慢性的に残業を強いられるような多忙な部署では育児時間も有名無実となってしまうため、「時間外労働の制限の制度」を併せて利用し、担当業務も変更してもらったこと等、育休が終わって職場に復帰したあとも続く育児の苦労話が多く語られています。
 本書は、多くの男性にとって未知の世界である「育児休業」中の生活を、リアルに語っているという点で、多くの将来の父親に勇気を与えてくれる一冊ではないかと思います。


■ 個人的な視点から

 本書の元になった連載は、毎日新聞のサイトに掲載されています。写真入りで成長も見ることができるので、単行本とは違った楽しみ方ができます。
(第1部)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/bebe/papa/archive/
(第2部)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/bebe/papa_2/archive/


■ どんな人にオススメ?

・未知の「育休ライフ」を疑似体験してみたい人。


■ 関連しそうな本

 山田 正人 『経産省の山田課長補佐、ただいま育休中』 2006年10月10日
 脇田 能宏, 中村 喜一郎, 太田 睦, 中島 通子, 土田 昇二, 小崎 恭弘, 中坂 達彦 (著), 朝日新聞社 (編集) 『「育休父さん」の成長日誌―育児休業を取った6人の男たち』 2006年10月11日
 佐藤 博樹, 武石 恵美子 『男性の育児休業―社員のニーズ、会社のメリット』 2005年04月07日
 パク ジョアン・スックチャ 『会社人間が会社をつぶす―ワーク・ライフ・バランスの提案』
 山本 秀行 『ダッドガレージスタイルブック―ビジネスマンのための子育てガイド』 2005年10月08日
 藤原 和博 『父生術』 2005年06月12日


■ 百夜百マンガ

ちいさなのんちゃん【ちいさなのんちゃん 】

 マニアックなSFオタクぶり、怪獣オタクぶり全開の作風で知られる作者ですが、その合間に見せるリリカルさがこの作品では温かく泣かせる場面に生かされています。

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