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2007年4月30日 (月)

マッキンゼー流図解の技術

■ 書籍情報

マッキンゼー流図解の技術   【マッキンゼー流図解の技術】(#830)

  ジーン ゼラズニー (著), 数江 良一, 管野 誠二, 大崎 朋子 (翻訳)
  価格: ¥2310 (税込)
  東洋経済新報社(2004/8/20)

 本書は、「経営コンサルタントがまず身につけなくてはならないベースナレッジ」である、「メッセージを作り、伝え、実行するために広める」ためにビジュアル・コミュニケーションのスキルを解説したものです。
 序章「チャートで語る」では、「チャートについての熟考が足りず設計が悪い場合には、明確に伝わるどころか混乱を招く結果となってしまう」として、「APK(Anxiou Parade of Knowledge:知識の欲張りな羅列)症候群」として、「判読できないビジュアル」の例を示しています。
 そして、本書の目的を、「どんなチャートを活用するにしても、話し手と聞き手両方の役に立つチャートを選択し、活用してチャートで語る(say it with chart)ことを支援する」ことであると述べています。
 第1章「チャートを選ぶ」では、チャート基本形は、
・パイチャート
・バーチャート
・コラムチャート
・ラインチャート
・ドットチャート
の5種類しかなく、その作成のステップは、
(1)あなたのメッセージを決める(データからメッセージへ)
(2)比較方法を見きわめる(メッセージから比較方法へ)
(3)チャートフォームを選択する(比較方法からチャートへ)
の3段階であることを示しています。
 そして、「表形式のデータから抽出した何らかのメッセージを込めた5種類の比較方法」として、
・コンポーネント比較法→全体に対するパーセンテージ
・アイテム比較法→項目のランキング
・時系列比較法→期間内の変化
・頻度分布比較法→範囲内の項目
・相関比較法→変数間の関係
の5つを挙げています。
 また5種類の基本チャートフォームについて、
・パイチャート:ホットも実用性に欠けるので全体の5%に抑えたい。
・バーチャート:用途の幅が広く、25%ほどは活用すべき。
・コラムチャート:「古きよき信頼できる」チャートである。
・ラインチャート:働き者であり、コラムチャートと併せて全体の半分程度は活用すべき。
・ドットチャート:10%は活用の場を与える価値がある。
とした上で、残りはそれらを組み合わせて活用されると述べています。
 そして、比較方法と基本チャートフォームの関係を、
・パイ→コンポーネント
・バー→アイテム、相関
・コラム→時系列、頻度
・ライン→時系列、頻度
・ドット→相関
のようにマトリクス化してしめしています。
 著者は、チャートの選択から学べることとして、
・チャートは重要な言語形態のひとつである。よく考えられ設計されたチャートというものは、表形式のデータより迅速で明確なメッセージを伝えるのに役立つ。
・どのチャートフォームかを使うべきかを示唆するのは、データや目盛りではなく、それはまさしくあなたが伝えたいメッセージ、すなわち、あなたが何を表したいのか、どこの点を強調したいのかにある。
・チャートの数は少ないほど良い。あなたのメッセージを伝えるのに明らかに役立つと思われるときにのみ、チャートを用いる。
・チャートはあくまで補足的な資料であって、あなたが意図して書きたいことや、言いたいことすべての代わりにはならない。
の4点を挙げています。
 第2章「チャートを使う」では、「実践ではチャートから省く場合もある」が、「あなたが何を言いたいのか、あなたがどんな点を強調したいのかという、あなたのメッセージを明確にしなくてはならないことを確認し、プライオリティーづけを行い、最重要と位置づけるという最優先課題を決定するプロセスを省くべきではない」として、「メッセージ・タイトルなしにチャートは決定できない」と説いています。
 そして、5つの比較法について、
(1)コンポーネント比較法:全体を100%とした場合の内訳で、おのおのの部分の大きさを示す。
(2)アイテム比較法:アイテム(項目)間のランキングを示す。
(3)時系列比較法:一定期間にわたる変化を示す。
(4)頻度分布比較法::どれだけのアイテムが連続的な数値レンジに収まるかを示す。
(5)相関比較法:2つの変数の関係が予想通りであったかどうかを示す。
のそれぞれについての使い方を解説しています。
 第3章「コンセプトとメタファーを使う」では、「相互作用、レバレッジ(テコをきかせる)、障害、相互関係を表すイメージや、構造、論理的因果関係、プロセスなど」、「数量で表現できないメッセージを視覚的に伝えることは大変困難なことである」と述べています。
 その上で、4人のデザイナーたちによる、様々なイラストデザインの例を紹介しています。
 第4章「チャートをスクリーンで見せる」では、現在では10分もあれば作成できてしまうチャートが、著者がこの世界に足を踏み入れた1961年には、
・ビジュアル資料の製図専門家が製図机に座って青鉛筆を片手に、三角定規、T定規、分度器、コンパス、楕円定規、エンジニア用定規などを使って線や図形を作成する。
・写植の専門家に渡す。
・校正の専門家に渡す。
・できあがったチャートを再び最初の製図者に戻し、線を引くための専用のペンとインクで青鉛筆で引かれた線をなぞる。
・別の担当者が、市販のジパトーン(モノクロの地模様がついたシール上のもの)などを使ってモノクロの濃淡を施し、レイアウトを整える。
・プレゼンテーションで使うには、拡大複写写真やオーバーヘッド用の透明版や35ミリのスライドを作る必要があり、写真や産に依頼して一晩かかった。
という膨大な時間と工数が必要だったことが解説されています。
 一方、チャートの作成がお手軽となった現在、「聞き手の注目がチャートの方へ集中してしまい、話し手であるあなたに集中しなくなってしまう」ため、「ビジネス・プレゼンテーションで重要な聞き手との双方向のコミュニケーションを単調なビジュアルの羅列に終わらせてしまう危険性もある」ことを指摘しています。
 本書は、ビジネスや学会の場でプレゼンをする必要がある人にとって、とくに、「自分ではプレゼンが得意」と思っている人にとってはぜひ読んでほしい一冊です。


■ 個人的な視点から

 プレゼンテーションの上手な人のスライドは、情報がそれほど盛りだくさんではなく、それだけ見ても内容が分からないこともあります。それは、あくまで、プレゼンテーションの中身は、説明者本人が話す内容がメインであり、スライドはその補足資料でしかないからです。
 一方、スライドに書き込まれた情報量も満載で、これだけあれば他の人でも説明できるんじゃないか、むしろ、これだけ読めば十分なんじゃないか、というスライドも数多く見かけます。
 プレゼンの達人と言われている(株)ワーク・ライフバランスの小室淑恵氏は、営業のときのプレゼンの資料は、そのプレゼンを受けた担当の人が、社内で上司に向かってプレゼンするときに使いやすいように作るとよい、と述べていましたが、その場合でも、あくまで担当者氏自身が話す内容がメインであるからこそ、上司の心を動かすことができるのであり、やはり、情報過多のプレゼン資料はいかんと思いました。決して読むのが面倒だからというわけではありません。


■ どんな人にオススメ?

・心を動かすチャートを作りたい人。


■ 関連しそうな本

 久恒 啓一 『図で考える人は仕事ができる』 2005年08月13日
 松山 真之助 『マインドマップ読書術―自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ』 2005年05月01日
 川喜田 二郎 『発想法―創造性開発のために』 2005年08月27日
 トニー ブザン (著), 田中 孝顕 (翻訳) 『人生に奇跡を起こすノート術―マインド・マップ放射思考』 2006年05月07日
 トニー・ブザン (著), 神田 昌典 (翻訳), バリー・ブザン 『ザ・マインドマップ』 2006年12月17日


■ 百夜百音

Music Box Dancer【Music Box Dancer】 Frank Mills オリジナル盤発売: 2000

 昔、「吉田照美のてるてるワイド」の中の番組だった、「千倉真理の地球はまあるいよ」のテーマ曲ほかいろいろなところで耳にするのですが、何という曲なのか分からず調べました。
「From A Sidewalk Cafe」という曲のようです。
http://m.mystrands.com/track/2287517;jsessionid=4F2E44F8A...
で試聴することができます。
 同じように、曲名が分からなかったもので、「ハイパーオリンピック」のテーマ曲があったんですが、今調べました。「炎のランナー」ですね。 昔、「吉田照美のてるてるワイド」の中の番組だった、「千倉真理の地球はまあるいよ」のテーマ曲ほかいろいろなところで耳にするのですが、何という曲なのか分からず調べました。
「From A Sidewalk Cafe」という曲のようです。


『炎のランナー ― オリジナル・サウンドトラック』炎のランナー ― オリジナル・サウンドトラック

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