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2008年6月14日 (土)

キャリアウーマン・ルールズ 仕事にフェロモン戦略は有効か?

■ 書籍情報

キャリアウーマン・ルールズ 仕事にフェロモン戦略は有効か?   【キャリアウーマン・ルールズ 仕事にフェロモン戦略は有効か?】(#1241)

  横江 公美
  価格: ¥1575 (税込)
  ベストセラーズ(2008/1/26)

 本書は、「新しいオンナの時代」を迎え、「すでに進化し第一線で活躍する素敵な女性の生態を分類し、進化のコツを探」るものです。
 第1章「オトコ社会で生き残る」では、「どの国でも、エリート女性は『オンナ』か『オトコ』に分類できる」として、いずれも「仕事の能力は超一級であり、一生懸命仕事をしていることは共通」だが、「アプローチ」の方法、「アピール」「パフォーマンス」など、「自己イメージの作り方が異なっている」と述べています。
 そして、ション所が、「好感度と手柄の配分力をキーワードに、本音ベースのオンナが出世する条件を探っていきたい」としています。
 著者は、「最後まで勝ち残っているオンナ・タイプ」が、
(1)「オンナ」との付き合い方
(2)自分の「フェロモン」
の2つの壁を超えているとして、「外のオンナと自分のオンナ(フェロモン)をうまく操ることが、オンナ・タイプが、生き残れるかどうかのカギ」であると述べています。
 一方、「仕事に関しては『絶対的平等』を目指しがち」なオトコ・タイプについても、
(1)頑張りすぎのコントロール
(2)上司との関係
の超えるべき2つの壁を挙げ、オンナ・タイプに比べると、要領が悪く、「下積みが長くなる」が、「本当に生き残ると強い。管理職としての能力がそれまでの仕事で身についているからだ」と述べています。
 また、「飛びぬけて出世した女性」に共通する点として、
(1)主業務に関する能力
(2)誰からも好かれていること
(3)職階があがればあがるほど、必要となる手柄の配分ができること
の3点を挙げ、「後者の2つが、本書がいうところの『アプローチ力』にあたる」と述べた上で、国際協力機構理事長の緒方貞子紙を「サクセス・ウーマンのシンボル」として紹介しています。一方で、ヒラリー・クリントン氏が、「ファースト・レディから上院議員、大統領候補者へと順調に駒を進めてきたが、その間に組織運営能力を磨く機会はなかった」ことを指摘し、「側近だけではなく、自分のために働く人々に、手柄の配分ができるかどうかが、今後、彼女のキャリアが突き抜けるかどうかのカギである」と述べています。
 さらに、オトコ・タイプの弱点として、
(1)フェロモンを活用することを恥ずかしいと思うほどの高いプライド。
(2)一人だけ仕事をやりすぎてしまったり、正論・原理主義に陥り、他の人たちから浮いてしまうこと。
(3)男性と同じかそれ以上の仕事をする、という姿勢のため、からだを壊してしまうこと。
の3点を挙げています。
 第2章「日本のオンナたち」では、ニュース・キャスターの安藤優子氏を取り上げ、「色気満々の安藤さんが、なぜ主婦層に受けるのか」について、「フェロモンのマイナスをカバーする方法も身につけている」として、「もはや、『わたしを見てほしいの』という甘えた雰囲気を越えて『こういうのが着たいの。見たければ見れば』という雰囲気」であると述べ、「50代になっても第一線で生き残るオンナ・タイプは、もはや、オンナの"敵"から"憧れ"に昇華している」と述べています。
 また、ダイエー副会長の林文子氏について、「社長として渡り歩ける能力、すなわち営業能力に加えて、卓越した好感度と手柄の配分力をもっている」として、「まさに最高峰の『オトコ・タイプ』」だと評価しています。
 さらに、丸川珠代参議院議員について、テレビ朝日のアナウンサー時代は、「ハードな報道姿勢を希望」した「オトコ・タイプ」だったが、「立候補を表明した瞬間から、『オトコ・タイプ』から『オンナ・タイプ』に舵を取った」として、「膝丈の赤のスーツか白のスーツを着込み、自信のなさそうな笑顔と目線。なんともしなやかな色気が漂っていた」と述べています。
 もう一人政界関係では、「総理の椅子に最も近い女性」として名前が挙がる小池百合子議員について、「オンナ・タイプの王道を歩んでいる」と述べ、「小池さんのすごいところは、贔屓されることに甘んじていないこと。ギブ・アンド・テイクを実行する。取り立ててもらえば、取り立ててくれた上司に徹底的に尽くす」、そして「潔い」、「ここぞ、という時には勝負に出る。そして、確実に勝利する。お世話になった相手でも、切るときはすっぱりと切る」と述べ、「潔さと徹底して上司に尽くすことは、オンナ・タイプの特徴である」と解説しています。
 そして、「永田町では、オンナ・タイプ政治家が幅を利かせるが、オトコ・タイプも生息する」として、川口順子氏、森山真弓氏、野田聖子氏、辻本清美氏、土井たか子氏などの名を上げています。
 さらに、経済財政政策担当相の大田弘子氏について、「おじさま受け」のよさは、ピカ一と言われ、そのすごいところとして、
(1)ポストに就いたあとの評判がよく、その後につなげていること。
(2)男性の噂がないこと。
の2点を挙げた上で、「おひとりさまの希望の星」と述べています。
 第3章「海外キャリア女性の素顔」では、ヒラリー・クリントン氏について、「クリントンが大統領になる前のヒラリーは、実力弁護士であるが、いけていないオバサンだった」、「当時の見た目はひどかった」が、「ファースト・レディになってから、日に日に美しくなった」と述べ、さらに、「センスも悪い」としながらも、「上院議員用の黒のパンツ・スーツを脱ぎ捨て、びっくりセンスの洋服を着るようになってから」好感度が上がっていることについて、「働く女性の立場から見ると『肝っ玉母さん・ファッション』であるが、裏を返せば、ワイドショーを見るお母さんたちにとっては、身近なおしゃれと映る」ことを指摘し、「ヒラリー人気の源は、オバサンと呼ばれる年代のお母さんたち」だと述べています。
 この他にも、コンドリーザ・ライス国務長官、CBSのイブニング・ニュース初の女性アンカーであるケーティ・クーリック氏、20年続くトーク・ショー番組を持つ「全米でもっとも影響力のある女性」であるオプラ・ウィンフリー氏などを取り上げた上で、「私が取材したトップをねらうアメリカの若きエリート女性たちは、いずれも媚びることを拒むオトコ・タイプだが、自分のための『セクシーさ』を必須アイテムとしていた」と述べ、「仕事から導かれる女性のセクシーは、女性が憧れるセクシーではあるが、今のところ、日本の男性に『もてる』ためのセクシーとは、異なるような気がする」と述べています。
 第4章「アメリカのキャリア・マナー」では、「アメリカでは、キャリア・ファッションにいくつかの決まり(ファッション・コード)が存在していた」ことに、数年取材していて気がつかなかったと述べた上で、「一言で表現すれば、アメリカのキャリア女性の職場ファッションは、日本に比べるとより機能的である」と述べています。
 そして、そして、ヲール・ストリートに存在する4種類の女性として、
(1)社交界コマンダー:キャリア2、3年で、裕福な家庭出身。人生の目的はなんといっても楽しむことであり、NYライフを満喫する。ボーイフレンドの回転率は速い。
(2)花婿探し:キャリア3年から5年で、NY均衡の裕福な家庭出身。仕事もパーティのホストもうまくこなす。ウォール・ストリートで働く最大の目的は両親が与えてくれた環境と同等かそれ以上の生活を約束してくれる男性を見つけ、結婚すること。
(3)アイビー・お局:キャリア20年から30年、地位も収入も手にしている。生活すべてを仕事に捧げ、ウォール・ストリートでもっとも不幸な種類の女といううれしくない称号をもっている。
(4)全方位型野心家:15年から20年のキャリアを持ち、アイビー・お局以上の地位と収入を持ち、夫と子どももいる。キャリア女性のNY的成功型は、結婚と仕事を両立させる管理職で、社会貢献への意欲がある、というイメージである。
の4種類を紹介しています。
 また、キャリア女性の「パワー・シンボル」として「上質なスーツとハイヒール」、そして「パワーカラーは赤である」と述べています。
 一方で、東海岸と西海岸のビジネス・ファッションのルールの違いについて、「西海岸でスーツを着ているのは弁護士やコンサルタントで、取引の意思決定に関係ない人」と理解され、「西海岸のホテルや会議の席では、スーツ姿ではなく、ネクタイをしていない人がもっとも権力がある人である」と述べています。
 さらに、「キャリア女性のアメリカン・ドリーム」として、「仕事と家庭を両立させ、いずれにもある程度満足して暮らすという女性像」を挙げ、「浮気の心配がなく、キャリア向上の助けになり、家庭に参加する男性が現代版スーパー・ハズバンド」だと述べています。
 第5章「できるオンナたちの新ルール」では、
・Rule 1:キャリアのピークを50代に設定:いままでの、かっこいいキャリア女性のイメージは20代後半から30代後半だった。
・Rule 2:オンナ・フェロモンを上手に使う:好感度が高い万能オンナ・フェロモン
・Rule 3:"愛嬌"を"にこやか"に進化させる:それには、時間と共に醸成される「信頼」と「上品」という要素が必要になる。
・Rule 4:手柄の配分を心がける:男女に関係なく仕事の不満の多くは、「手柄の配分」に関わるものだ。
・Rule 5:オンナ同士の悪口は言わない:オトコたちは赤提灯での「愚痴歴」が長い。愚痴の対処法を知っている。
・Rule 6:"性悪女"をのさばらせない:彼女たちをのさばらせないことは、これからのできる女の新しい任務なのかもしれない。
・Rule 7:オバサン・キャリアも戦略のひとつ:これからは植木等型サラリー・ウーマンが出てくるのかもしれない。
・Rule 8:結婚はしたほうが、お得:いまや、女性もダンナからの内助の功と「外助の功」が必要なのである。エリート女性を解剖するたびに、結婚しなきゃと焦ってくる。
・Rule 9:いい年したオンナのスッピンは罪である
・Rule 10:「身だしなみ」の世界標準を知る:ポジションにあった身だしなみをすることは、できるオンナの条件である。
・Rule 11:オンナを活かして起業する:女性ならではの、ビジネスやマーケットの第一人者になる、というキャリアのつくり方もある。
の11のルールを挙げています。
 本書は、もちろん女性のために書かれた本ですが、男性にとっても多くの教訓を与えてくれる一冊です。


■ 個人的な視点から

 著者の横江さんには、6年ほど前に仕事でご講演をお願いする機会があり、その時に初めてお会いしました。当時は、ヴォートジャパン(株)の社長を務められていましたが、その後も、次々に著書を出され、新聞などでコメントされ、日本の枠に収まらない活躍をされています。
 たまにホームパーティを主催されているのですが、本書を読んで、ホームパーティのホストにかける世界標準の気合いの一端を見てしまったような気がします。


■ どんな人にオススメ?

・「キャリアウーマン」というと30歳前後のキツそうなお姉さんをイメージしてしまう人。


■ 関連しそうな本

 横江 公美 『判断力はどうすれば身につくのか―アメリカの有権者教育レポート』 2005年07月13日
 横江 公美 『Eポリティックス』 2005年02月11日
 横江 公美 『第五の権力 アメリカのシンクタンク』 2005年06月13日
 脇坂 明, 冨田 安信 (編集) 『大卒女性の働き方―女性が仕事をつづけるとき、やめるとき』 2006年05月02日
 ロザベス・モス カンター (著), 高井 葉子 (翻訳) 『企業のなかの男と女―女性が増えれば職場が変わる』 2005年10月11日
 篠塚 英子 『女性リーダーのキャリア形成』


■ 百夜百音

TWIN BEST タイムボカン 名曲の夕べ【TWIN BEST タイムボカン 名曲の夕べ】 TVサントラ オリジナル盤発売: 1998

 タイムボカンシリーズといえば、善玉よりも悪玉が本当の主役と言われるだけあって、オープニングよりもエンディングの方が印象に残っているようなきがします。ただし、どれも同じメンバーなのでどの作品かは区別がつきませんが。

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