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2009年8月29日 (土)

キャリアショック ―どうすればアナタは自分でキャリアを切り開けるのか?

■ 書籍情報

キャリアショック ―どうすればアナタは自分でキャリアを切り開けるのか?   【キャリアショック ―どうすればアナタは自分でキャリアを切り開けるのか?】(#1682)

  高橋 俊介
  価格: ¥683 (税込)
  ソフトバンククリエイティブ(2006/6/28)

 本書は、「日本のビジネスパーソンに向けたウォーニング(警戒警報)であり、そしてキャリアをめぐる環境変化の激しい時代、自分で自分の人生を切り開く方法論の解説書」です。
 著者は、「社内での人材育成方針に従って、自分のキャリアを伸ばしていったとしても、それが必ずしも、社外で通用するキャリアになるとは限らない」と述べています。
 序章「キャリアショックはある日突然やってくる」では、「会社主導のキャリア開発から、個人主導へのキャリア開発へ」移行するときに、「個人が自律的にキャリアを作っていくとはどのようなことなのか」が大きなテーマとなるとした上で、「変化の激しい時代には、キャリアは基本的に予期しない偶然の出来事によってその8割が形成される」とする「プランド・ハップンスタンス・セオリー(Planed Happenstance Theory)」について解説しています。
 第1章「成功のキャリアか幸せのキャリアか」では、幸福のキャリアを自分で切り開く方法について、
・スキル
・コンピタンシー
・パーソナリティ
の3つの面から考え、幸福なキャリアは「動機とコンピタンシーのマッチング」だとしています。
 第2章「キャリアを切り開く人の行動パターン」では、「キャリアショックに備えながら、自律的にキャリアを切り開いていく行動能力」である「キャリアコンピタンシー」について、30人近いインタビュー対象者のうち、「長期の明確なキャリアゴールや計画を持ち、そのとおりにキャリアを構築している人は、一人もいなかった」と述べた上で、彼らの行動パターンについて、
(1)仕事を膨らませる
(2)布石を打つ
(3)キャリアを進める
(4)キャリアを振る
の4つの段階に分け、「どれか1つを選ぶと言うものではなく、キャリアを自分で切り開こうと思ったら、どれも必要なものであり、ただ、いつその行動をとるかがそれぞれ違う」と述べています。」
 第3章「キャリアを切り開く人の発想パターン」では、自分でキャリアを切り開こうとしているビジネスパーソンの発想パターンの特徴として、
(1)横並びやキャッチアップにはあまり関心がなく、自らの差別性や希少性を重要視する。
(2)異質経験を生かそうとする発想が特徴的に見られる。
(3)今後の動向に賭ける、きわめて未来志向的な判断基準を共通して持っている。
(4)指導してもらえるか好きなようにできるのかでは、自由度の幅を選ぶ傾向が非常に強い。
(5)「社会的自己意識」(自分が周りからどう見られているか)よりも「私的自己意識」(自分はこうありたいと意識する)が勝っている
(6)合理的判断以上に直感を重視して選ぶケースがあり、その中にはかなりの割合で自律的な人材が含まれている。
(7)「会社の論理」よりも「職業倫理」を重視する。
の7つのポイントを挙げています。
 第4章「人生支配の代償だった雇用保障」では、終身雇用と年功序列の最大の特質として、「将来の安心を見せて、だから、いまはどのような命令にも従うように求める服従のマネジメント手法だった」と述べています。
 そして、年功序列の問題点として、「年功の部分よりも、むしろ、序列によって社員のキャリア構築を徹底的に管理した点にあった」ことを指摘しています。
 第5章「知的資本経営のできない会社は生き残れない」では、「会社にとって、社員は資産ではなく、社員の生み出す知恵が資産となる。一方、社員にとっては、会社は知恵という資本の投資先になる」とした上で、「知的資本経営を目指し、人材輩出企業を志向するなら、すべてのマネジメントにおいて、これまでとはまったく逆の方向に進まなければならない」と述べています。
 第6章「明日から取るべき5つのアクション」では、「変化の激しい時代に柔軟にキャリアを仕掛けていく」ためのポイントとして、
(1)「自分の値段」ではなく「自分の動機」を知る。
(2)動向を読み、賭けるべき流れを選ぶ
(3)自分のビジョンとバリューを掲げる
(4)価値あるWHATを構築するコンピタンシーの強化
(5)キャリアリスクを減らしキャリア機会を広げる
の5点を挙げています。
 そして、「キャリアショックの時代には、個人も変化に柔軟に対応できるキャリアコンピタンシーを付けるのと同時に、企業経営者も支配高速の発想から自由選択の仕組みを整備する」という「2つの動きが共振して初めて、日本の企業にキャリア自律の時代が到来する」と述べています。
 本書は、キャリアを自分でコントロールしたい人には必見の一冊です。


■ 個人的な視点から

 一時の転職を念頭に置いたキャリア本ブームが沈静化はしましたが、仕事生活を送る上でキャリアを意識することは不可欠であることを本書は教えてくれます。


■ どんな人にオススメ?

・仕事生活を見据える視点がほしい人。


■ 関連しそうな本

 金井 壽宏 『働くひとのためのキャリア・デザイン』 2005年01月30日
 山本 寛 『昇進の研究―キャリア・プラトー現象の観点から』 2005年09月01日
 キャメルヤマモト 『稼ぐ人、安い人、余る人―仕事で幸せになる』 2005年05月24日


■ 百夜百音

増殖【増殖】 YELLOW MAGIC ORCHESTRA オリジナル盤発売: 1980

 学生時代にナイスエイジとかタイトゥンアップとかカバーしましたが、先輩から、お前らのはハウス的な感じがするけどYMOはもっとオーケストラな感じだ、という感想をもらったのを思い出しました。

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