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2010年1月 9日 (土)

「できない」を「できる!」に変える

■ 書籍情報

「できない」を「できる!」に変える   【「できない」を「できる!」に変える】(#1818)

  木村俊昭
  価格: ¥1470 (税込)
  実務教育出版(2010/1/13)

 本書は、小樽市役所勤務から内閣官房・内閣府、そして農林水産省に出向し、地域活性化の仕事に取り組む著者が、「これまで実践してきた"楽しさを作り出す仕掛け"について解説」したものです。
 著者は、「人のモチベーションが高まる瞬間を見るのが大好き」で、「楽しい」を作り出すには、「満たされなかった思いが成就すること」が必要であり、そのアプローチとして、
(1)"経済的に安定したい"を実現する
(2)"仲間と共感したい"を実現する
(3)"正しく評価されたい"を実現する
(4)"理想に近付きたい"を実現する
の4点を挙げています。
 第1章「"楽しい"はつくり出せる」では、小樽市役所に入庁した著者が、「もう一度、小樽を活力ある職人のまちに」という思いを抱き続けていたとして、第1回『おたる職人展』の開催に向けた挑戦を語っています。
 また、著者が、「一生の仕事に行政職員を選んだ」理由として、「やっていて心の底から"楽しい"と思えること」、すなわち「地域活性化」を「人生の本業」として職業にしたいと思ったからだと語っています。
 そして、「どうせダメだろうな」と思っているうちは、「何をやっても成功しない」、特に、「他の人を巻き込んで何かをしようとするとき、『ムリだろ』は絶対に禁句。なぜなら、こうした負の感情は周囲に伝染していくから」だと述べています。
 第2章「"経済的に安定したい"を実現する」では、ある果樹農家に、「私は今までほとんど失敗したことがないんですよ。というか、成功するまでやり続けるから、失敗にならないんですよ」と語ったことを紹介した上で、「人に働きかけて行動を促すときは"メリット"を提示すること。それによって、満たされなかった思いに火がつき、希望があふれ、生き生きとしてくれます」と語っています。
 そして、「ボランティアだけでは、継続的に物事はつくれません」として、「善意に頼りすぎる仕組みをつくると、協力してくれる人が集まらなく」なると語っています。
 また、小樽市役所入庁当初から経済部を希望していた著者が、12年後にようやく配属されてから「9年間、みっちりと金融政策や産業振興に携わった」ことを語り、「小樽の経済部時代、私がある程度の成果を挙げられたのは、金融機関をはじめとして、農業や商業、工業に携わる多くの皆さんに、熱心に対応いただいたから」だと述べています。
 第3章「"仲間と共感したい"を実現する」では、「人と知り合いになったり、どこかの組織に所属したり、ただそれだけでは人と濃密な関係は結べません。一緒にいることで、具体的な共感や一体感、新たな賑わいへの予感が生まれたとき、そのワクワクする"楽しさ"を通して、人と人は仲間になる」と語っています。
 そして、小樽市役所入庁時に一番驚いたこととして、「職員の付き合いの範囲がとても狭い」ことを挙げ、「公務員だからこそ、いろいろな人に会って人脈を広げておく必要があります。また常に地域のために『誰と誰をつなげばいいか』を考え、仲立ちをできるネットワークを持っていなければならない」として、「実は公務員の名刺は、意外に威力を秘めており、多くの方が会ってくれます。それを活用しない手はありません」と述べています。
 また、これまで仕事をする上で重視してきたこととして、「ディスカッション・パートナーをつくる」ことを挙げ、そのメリットとして、
(1)言語化による気付きを得られる
(2)企画やアイデアに多様性が生まれる
(3)さらに人脈が拡がる
の3点を挙げています。
 第4章「"正しく評価されたい"を実現する」では、「失われたプライド」を癒してくれるのは、「あなたの仕事はすごい!」「こんなに大切なことをやってきたんですね」という"再評価"に他ならないと述べています。
 そして、「子どもたちが故郷に帰ってこない」理由として、「お父さん・お母さんが自分たちのまちを褒めないことも影響している」と述べ、「子どもたちの多くは、小さい頃から、『このまちはダメだ』と聞かされながら育っていることも考え」られるとしています。
 第5章「"理想に近付きたい"を実現する」では、著者が小樽市で、星座夜景やおたる職人展などの地域活性化に取り組んできたた、「私が各種の企画に関わっていることを知っている人は、ごく少数」だったと述べた上で、「『楽しいこと』を広げるなら、まず相手の"理想の実現"を手助けすること」だと述べています。
 第6章「全体の最適化を図る」では、「日本の多くの自治体や行政で地域を盛り上げようという取り組みがあるにもかかわらず、厳しい状況を改善できていない理由」として、「プロジェクトのデザインが極めて刹那的で中長期的に何のインパクトも残せていない」ことを挙げ、「観光振興も、いったい何人の人が関わっているのかが重要」だとして、「漠然と『観光客を増やそう。そうすればまちが活性化する』と考えることは危うい」ことであり、具体的に「試算しなければ、説得力に欠ける」と述べています。
 そして、「他の地域と、どう高めあえるかを考えたとき、自分たちが『持っているもの』と『足りないもの』が明確になり、連携することができる」と述べています。
 第7章「木村流『できるに変えていく』シゴト術」では、企画書を出し続けるメリットとして、
・上司にやる気を伝えられる
・提案の仕方を身につけられる
・自分の所属している組織への理解が深まる
の3点を挙げています。
 そして、「人脈を維持するために一番重要なのは、スピード感」だとして、「電話やメールで連絡をくれるとき、それは、まさに相手のモチベーションが高まっている瞬間です。絶対に、このタイミングを逃してはいけません」と述べ、「だから携帯メールなのです」としています。
 おわりに「成長しないと人は会ってくれない」では、「一期一会」という言葉について、著者の父親が、「一家しか会えないと思って接しないと、次はないぞ。『また今度会えるから、今日はいいや』と思うな。常に、相手に対して全力で接するんだ」と教えられたと述べています。
 そして、「どんなときでも、どんな相手にも全力をつくす。そして、次に会う機会ができたときにもっと実のある話ができるように、自分を成長させておく」ことが、「"楽しい"を広げていく中で、最も大切なこと」だと述べ、「常に成長していないと、人は会ってくれないよ」として、「次も会ってもらえるか。私と話をしていて、毎回"楽しい"と感じてもらえるか。モチベーションを高めてもらえるか」という「常に真剣勝負の中に身を置いているようなもの」だと述べています。
 本書は、どんな逆境も逆境と思わない人になるための一冊です。


■ 個人的な視点から

 著者の木村さんには4年くらい前にお会いして以来、ずっとお世話になっていて、一昨年くらいには多い時で週に3回くらいご一緒していましたが、NHKの出演でさらに忙しさに磨きがかかってしまっています。
 最近は近況は木村さんのブログでチェックしています。http://kimutoshi.jugem.jp/


■ どんな人にオススメ?

・諦めるのはまだ早い人。

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