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2010年3月 2日 (火)

キャリアに揺れる―迷えるあなたに贈るブックガイド30

■ 書籍情報

キャリアに揺れる―迷えるあなたに贈るブックガイド30   【キャリアに揺れる―迷えるあなたに贈るブックガイド30】(#1867)

  上西 充子, 柳川 幸彦
  価格: ¥1575 (税込)
  ナカニシヤ出版(2006/06)

 本書は、「ちょっとでも歩いたことのある道」や「もしかしたら歩くかも知れない道」を「全部ひっくるめて『キャリア』と呼んでみると、これからの歩き方はがらっと変わってくるはず」だとして、「そういう予期せぬあれこれに触れる『きっかけ』となる本の、『紹介文』を集めたもの」です。
 第1章「学ぶ」では、橋本治『「わからない」という方法」について、「最初から方角がわかれば、あるいは最初から地図があれば、誰も苦労はしない」として、「『わからない』」という不快を簡単に排除してしまわず、『わからない』を身体に宿してサナギの状態に耐えることのあとに、はじめて『わかる』という羽化の瞬間は訪れる」と述べています。
 第2章「揺れる」では、香山リカ『就職がこわい』について、「就職活動真っ只中の若者が抱える『就職不安』や『就職離れ』の問題は、『サラリーマンになると自由がなくなるから』『仕事だけで人生終わりたくない』といった単なる『就職嫌い』ですまされるものではなく、彼らが抱えているのは、あまりに大きくなった『自分自身への不安』と『他人への恐怖』であるのかも」知れないと述べています。
 第3章「働く」では、小関智弘『仕事が人をつくる』について、仮に仕事が「選んだ」モノでなかったとしても、「仕事が人をつくり、人を育てる」「人は働きながら、その人となってゆく」と述べています。
 第4章「背負う」では、杉山春『ネグレクト 育児放棄 真奈ちゃんはなぜ死んだか』について、2000年12月10日に起きた事件についてのノンフィクションだとして、餓死した児童の両親がともに、「それまでの成長歴の中で、自分の感情を親に受け止めてもらえずに育ってきている」として、「自分ひとりなら、状況をやり過ごして生きていくこともできたのだろう。けれど、子供という、関わってやらなければならない存在が生まれたことによって」、両親の限界が「あらわになっていく」と述べています。
 また、金子雅臣『ホームレスになった 大都会を漂う』について、「夫婦や家族のもつ、本来の機能。それはきっと、『だまって受け入れてくれる』ことなのではないでしょうか」と述べています。
 本書は、広い意味でのキャリアという自分の将来を考えるきっかけとなる一冊です。


■ 個人的な視点から

 日本では、「書評」という何だか大上段に構えた言葉がよく使われていて、ハードルが高いイメージが有るのですが、本当は多くの人に喜ばれるのは、どういう本を読んだらいいか、ということを伝える、本書のような「紹介」文なのかも知れません。


■ どんな人にオススメ?

・キャリアに揺れている人。

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