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2012年5月10日 (木)

犯罪捜査の心理学―プロファイリングで犯人に迫る

■ 書籍情報

犯罪捜査の心理学―プロファイリングで犯人に迫る   【犯罪捜査の心理学―プロファイリングで犯人に迫る】(#2118)

  越智 啓太
  価格: ¥1470 (税込)
  化学同人(2008/5/20)

 本書は、「現実のプロファイリング研究について、できるだけ最新の研究までを焦点に入れて紹介」しているものです。
 第1章「FBIによるプロファイリングプロジェクト」では、殺人事件の多くは、「金か愛」のトラブルが原因で起きたものであるが、「連続殺人(serial murder)」などの、「被害者と加害者に金銭関係や恋愛関係などのない事件」もあり、「このような事件では、捜査は前者の場合に比べて格段に難しく」なることから、1960年代後半からFBIが「この種の犯罪を解決するための研究プロジェクトを発足」させ、これがのちに「プロファイリング」として知られることになったとしています。
 そして、FBIの方法論について、「一人、一人の犯人の『心の闇』について想像をふくらませるのではなく、科学者としての冷静さをもって多くの連続殺人事件のデータを収集しデータベース化した」結果、犯人の行動を「Organizedタイプ(秩序型)」と「Disorganizedタイプ(無秩序型)」に分けることができたとしています。
 第2章「プロファイリングの新たな展開」では、FBIのカテゴリー分類がうまく当てはまらないケースもたくさん出てきた結果、「より客観的に犯人の行動を分析し、より適切なカテゴリーを設定していく」というアプローチが要求され、リヴァプール大学のカンター教授のグループの研究では、「最小空間分析」という統計的な手法を用いて犯罪行動を分析すつことを考えたと述べ、「この方法を用いると、類似している行動は相互に近くに、類似していない行動は離れて空間的に配置した図を作成すること」(空間マッピング)ができるとしています。
 第4章「犯人の危険性を推定する」では、ミューレンによるストーカーの分類として、
(1)拒絶型ストーカー
(2)憎悪型ストーカー
(3)無資格型ストーカー
(4)親密希求型ストーカー
(5)略奪型ストーカー
の5つを挙げ、それぞれについて、危険度を分析しています。
 本書は、映画などでは何やらブラックボックスめいた技術として描かれがちな「プロファイリング」を、地道な科学技術として解説した一冊です。


■ 個人的な視点から

 映画でよく目にする「プロファイリング」技術ですが、ブームのきっかけは、やはり1990年代の『FBI心理捜査官』なのではないでしょうか。当時はテレビでまるで魔法のように扱われた(ほとんど「FBI心霊捜査官」と同じような扱い)この技術にも、きちんとした統計的な裏付けがあることを本書は教えてくれます。


■ どんな人にオススメ?

・『羊たちの沈黙』でビビった人。


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コメント

犯罪心理を学ぶと色々な事が分かる。と教えられたことがあります。

早速読んでみたいと感じました。

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