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2013年12月29日 (日)

鳥はなぜ集まる?―群れの行動生態学

a■ 書籍情報

鳥はなぜ集まる?―群れの行動生態学   【鳥はなぜ集まる?―群れの行動生態学】(#2238)

  上田 恵介
  価格: ¥ (税込)
  東京化学同人(1990/01)

 本書は、「群れを成している鳥との出会いは、いつもドキドキするような興奮を私に与えて」くれるという著者が、「いつ、どこで、どんな鳥が、そして何のために群れを作っているのか」を探ろうとしたものです。
 第2章「ねぐらはエサの情報センター」では、鳥が作るねぐらの意味について、
(1)多数の鳥が集まることによって、寒さで失われる熱エネルギーを節約しているのではないか。
(2)捕食者に対する適応として形成されるのではないか。
などの仮説を紹介した上で、「ねぐらを利用する個体間の情報交換の機能」があると述べています。
 第8章「群れは利己性の産物」では、「弱いものが捕食者から身を守るための一つの手段として群れ生活が進化して」きたとした上で、「“利己的”な個体は中心部を占めようとして、密なボールを形作る」と述べています。
 第9章「警戒声は誰のため?」では、「警戒声の波形が似ているのは、鳥たちが好んで他種のものまねをしている」のではなく、「鳥たちの警戒声はどの鳥のものでも、それがどこから発せられたのか、なかなか突き止めにくい音声構造を持っている」と述べています。
 第10章「小鳥は昼間に仇討ち」では、「鳥たちが昼間、フクロウ(やタカなどの潜在的捕食者)のとまっている所にやってきて、まわりで騒ぎ立てる行動」である「モビング」に関して、「カモがキツネに対してモビングする習性を利用した『赤犬猟』」を紹介しています。
 そして、モビングに関する仮説として、
(1)ヒナを黙らせる
(2)利己的な群れ
(3)捕食者を混乱させる
(4)捕食者を追い払う
(5)出鼻をくじく
(6)血縁選択説
(7)スーパーマン仮説
(8)文化伝達説
(9)危険な場所を知らせる
の9点を挙げています。
 第15章「群れの中でもだましあい」では、「カラ類はエサ場に自分より優位な鳥(アトリ、スズメ、カシラダカなど)がいると、(にせの)警戒声をはします。すると他の鳥たちはてっきり捕食者がやってきたと思って、一斉に逃げていきます」と述べています。
 第16章「おわりに」では、「個体は自己の遺伝子の継承ということに関して利己的なものだというのが社会生物学の前提」だが、「これはある個体が常にどんな場面でも“利己主義”を発揮して、わがままに振る舞うことを意味しているのでは」なく、「動物社会の法則が、そのまま人間社会の道徳や規範に当てはまるというもの」ではないとして、「利己的な個体=人間社会における利己主義者」、「成功者=最適者」という誤解がまかり通ってしまうことを心配すると述べています。
 本書は、鳥の群れが作られる意味を解説した一冊です。


■ 個人的な視点から

 何でかわからないですが鳥ってすぐ群れたがりますよね。駅前の街路樹にとまっているムクドリが昔から怖くて仕方ありません。

■ どんな人にオススメ?

・鳥がどうして蒸れるのか、もとい群れるのかを知りたい人。鶏は蒸しても美味しいです。


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