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2014年1月25日 (土)

社会のなかに潜む毒物

■ 書籍情報

社会のなかに潜む毒物   【社会のなかに潜む毒物】(#2262)

  Anthony T.Tu
  価格: ¥1,260 (税込)
  東京化学同人(2012/6/21)

 本書は、「われわれの安全な生活のためには社会の中に潜んでいるあらゆる毒物について認識することも大事になってきた」として、「それらの潜在的な危険性のある毒物とそれから身を守る方法について述べた」ものです。
 第1章「日常生活に潜む毒物」では、「ダイエット薬は猛毒であるもの、毒性の比較的弱いもの、だいたい無害であるものなど、いろいろと種類が多く、そのメカニズムも千差万別である」とした上で、「中国から輸入されたダイエット薬の中には、フェンフルラミンやN-ニトロソフェンフルラミンがよく入れられており、これを使った人たちが日本で800人ばかり中毒になり、死亡者も何十人か報告されている。いわゆる中国製の減肥茶や抗肥満薬は要注意である」と述べています。
 そして、解熱鎮痛剤の毒作用として、
(1)胃腸障害
(2)アスピリン喘息
(3)重症薬疹
(4)急性脳症
などを挙げています。
 また、「胆のうは苦いので『苦玉』ともいわれている」が、「胆のうは苦いから良薬と思ってはいけない。むしろ苦くて体に悪い毒なのである」と述べています。
 さらに、洗剤、漂白剤、殺虫剤などの日用品について、「使い方を誤れば重大な健康被害を生じることもある」として、
(1)家庭用品の「混ぜると危険」は、混ぜなくても危険なことがある。
(2)呼吸困難になるのは有毒ガスだけではない:スプレー類にも注意が必要。
(3)スプレー類には爆発の危険もある。
(4)爆発や発火事故はスプレー類によるものばかりではない。
(5)液体の商品の場合には、ラベルの液性に注意する。
などの点を挙げています。
 第3章「毒で死ぬ人々」では、「毒殺は人類の歴史始まって以来つきものであった。中国人は大皿をテーブルに置き、食事する人全員が同じ皿から食べる。これも毒殺を防ぐ知恵から始まったものと思われる」と述べた上で、毒殺の特徴として、
(1)毒殺は計画的であることが多い。
(2)毒殺事件では必ず加害者がいて、その人は毒について何らかの知識を持っている。
(3)毒物の入手の方法
(4)被害者に近づきやすいという特殊な環境下にある。
(5)毒殺には動機がある。
の5点を挙げています。
 本書は、身近な毒物についての知識を与えてくれる一冊です。

■ 個人的な視点から

 普通の生活をしていて「毒」と接する機会はなかなか無いような気がしていますが、使い方によっては「毒」になるものは結構身の回りにあります。
 とりあえず、中国の大皿料理は毒殺を防ぐ知恵から始まったというのは面白かったです。


■ どんな人にオススメ?

・「毒」には縁がないと思っている人。


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