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2014年2月11日 (火)

歴史から探る21世紀の巨大地震 揺さぶられる日本列島

■ 書籍情報

歴史から探る21世紀の巨大地震 揺さぶられる日本列島   【歴史から探る21世紀の巨大地震 揺さぶられる日本列島】(#2276)

  寒川 旭
  価格: ¥861 (税込)
  朝日新聞出版(2013/3/13)

 本書は、「日本列島で千数百年にわたって書き綴られた文字記録さらに、考古学の遺跡調査で発見された地震痕跡を用いて、日本列島の地震と被害の歴史」を探求したものです。
 第1章「首都圏の地震と南海トラフの巨大地震」では、1703年に江戸周辺を襲った元禄関東地震について、「房総半島南丹の館山・白浜間で、北東—南西方向で幅十数キロの範囲が最大6メートル隆起した。そして、房総半島から伊豆半島に至る海岸に大津波が押し寄せている」と述べています。
 そして、「江戸時代から現代に至る三百年間を振り返ると、90年から150年の間隔で南海トラフの巨大地震が発生している」とした上で、「このような巨大地震の発生は、歴史の大きな筋目に重なっている」として、
(1)元禄・宝永の巨大地震:幕府や諸藩の財政が悪化し、享保以降の諸改革の始まりとなった。
(2)安政年間の3つの地震:鎖国体制のもとで君臨していた江戸幕府が衰退し、世界の列強が日本に開国を迫った時期に発生して、歴史の流れを加速させた。
(3)大正関東地震:空前の被害と財政的な負担がその後の大陸進出の要因となった。
 第2章「日本列島が激しく揺れた時代」では、「“東日本の各地で内陸地震が続いてから太平洋沖で巨大地震が発生した”という流れは、9世紀初頭から貞観地震に至る道筋と似ている」とした上で、「2011年」を「869年」に置き換えると、「貞観地震の9年後に当たる878年」には広い意味で「首都圏直下型地震」に相当する地震が起き、887年には南海トラフ全体からの巨大地震が起きていると述べています。
 第3章「太平洋海底の巨大地震」では、「房総半島の南端に位置する白浜(南房総市)周辺の海岸では、内陸に向かって、地形が階段のように高くなる」ことについて、「海面付近で波に削られて水平になった海底が、巨大地震のたびに陸上に隆起したことを示している」と述べています。
 第4章「日本列島各地の内陸地震」では、1792年に普賢岳で起きた地震により、「標高700メートルに及ぶ前山の南東部(天狗山)の、幅1キロの範囲が引き裂かれて、大音響とともに崩れ落ちた。そして、大量の岩屑や土塊が、城下の家々や神社や仏閣のすべてを押し流しながら、有明海に流れ込んだ」と述べ、これらにより、「対岸に当たる肥後(熊本県)の沿岸に、巨大な津波が押し寄せた」として、これらの惨事が「島原大変肥後迷惑」と呼ばれていると述べています。
 終章「地震と日本人」では、「過去、千数百年にわたって文字記録が残され、全国各地で緻密な考古学の発掘調査が実施されている国土は世界でも例がない。この利点を、十分に生かすことが、この国に住む人達の生命や財産を守ることにつながるはずである」と述べた上で、「私達にとって、過去に発生した自身の歴史を十分に把握しながら、現代科学の手法を結集して、予想されるさまざまな被害に立ち向かうことが大切である」としています。
 本書は、「日本列島の地震と人々の暮らしについて、さまざまな角度から紹介した」一冊です。

■ 個人的な視点から

 東日本大震災が1000年に一度の地震だったように、人間の寿命よりも長い単位で繰り返す地震に備えるためには地質学的な調査はもちろん、古文書の調査も重要になるようです。


■ どんな人にオススメ?

・先人が残した教訓を活かしたい人。


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