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2014年4月 1日 (火)

生命(いのち)にぎわう青い星――生物の多様性と私たちのくらし

■ 書籍情報

生命(いのち)にぎわう青い星――生物の多様性と私たちのくらし   【生命(いのち)にぎわう青い星――生物の多様性と私たちのくらし】(#2315)

  樋口 広芳
  価格: ¥1680 (税込)
  化学同人(2010/1/30)

 本書は、「地球上の多様な生き物や自然は、どのような理由があって様々な存在となっているのだろうか。また、どのようにして多様であり得ているのだろうか」といった問題を解説したものです。
 第1章「いろいろな生きもの、さまざまな自然」では、「生物の世界、自然の世界に播種の多様性、種内の遺伝的多様性、生態系の多様性が存在し、それらは互いに密接に結びつきながら、ひるがえって生物の世界、自然の世界を成り立たせている」と述べています。
 第2章「なぜこんなにいろいろな生物がいるのか」では、「それぞれの種は、どこにすむかという『住』生活と、何をどうやってとって食べるかという『食』生活に、特殊化した専門家とみなすことができる」と述べています。
 そして、「いろいろな生き物が持つ多様な体のつくりや行動は、食うとともに食われないためのものとしてもできている」としています。
 第3章「どのようにして多様になってきたのか」では、「生物の世界は、ある種が複数の種に分かれる『種分化』によって多様になってきた。種分化とは、ある種が時代の流れの中で徐々に変化して別の種に移り変わっていくことではなく(一つの時代では常に一種)、一つの種が複数の主に枝分かれしていく過程のことである」と述べた上で、「種分化が最終的に成立するためには、遺伝的独立性を保つのに必要な生殖隔離と、独自の生活資源を確保するための固有の生態的地位の両方を発達させる必要がある」としています。
 そして、「ある生物が別の生物の出現をもたらす」という現象が、「生物界が構築される上で2つの側面から極めて重要だった」として、
(1)植物の存在そのものが、動物界全体の進化を可能にした。
(2)さまざまな植物や動物の出現にともなって、それらの死骸を食物あるいは栄養源として利用し分解する多数の菌類やバクテリア、あるいは土壌動物が出現した。
の2点を挙げています。
 第4章「生物多様性の価値——なぜ重要なのか——」では、「人間生活が生きものや自然から得るいろいろな恵み」である「生態系サービス」について、
(1)供給サービス
(2)調節サービス
(3)文化的サービス
(4)基盤サービス
の4点を挙げています。
 第6章「温暖化が生きもののくらしに及ぼす影響」では、「生態系がある安定状態から別の状態へと急激に変化する」という「レジームシフト」について、「そのような変化が生じると、多少の対応策では生態系を元の状態に戻すことはできない」としています。
 本書は、私たちの生活に密接に関係のある生物の多様性の重要性を教えてくれる一冊です。


■ 個人的な視点から

 やっぱり地球上の生物の多様性というのは欠かせないものなのだったと改めて考えさせられる一冊でした。


■ どんな人にオススメ?

・地球の多様性を目の前にして戸惑っている人。


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