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2015年6月25日 (木)

若き科学者への手紙: 情熱こそ成功の鍵

■ 書籍情報

若き科学者への手紙: 情熱こそ成功の鍵   【若き科学者への手紙: 情熱こそ成功の鍵】(#2440)

  エドワード・O. ウィルソン (著), 北川 玲 (翻訳)
  価格: ¥1,620 (税込)
  創元社(2015/2/19)

 本書は、「著者が生物学者として半世紀以上も生きてきたなかでつかんだ、科学者として成功するための秘訣」が語られたものです。
 プロローグ「きみは正しい選択をした」では、「何よりも先に言っておきたいことがある。自分の選んだ道に踏みとどまり、できる限り先に進め」とした上で、「この一連の手紙では、従来とは異なる切り口と口調で科学を概観し、科学分野の職業についても書こう」と述べています。
 そして、「成功した科学者を大勢見てきて、彼らの経歴から気づいたある大切な原則」として、「勉強よりも情熱を優先させる」ことだと述べています。
 2通目「数学」では、「研究者であろうと技術者や教師であろうと、数学の能力がどの程度であれ、いかなる科学者にも本人の数学のレベルで優秀な業績をあげられる科学分野が存在する」と述べています。
 3通目「進むべき道」では、「オリジナルな研究を行う場として知の領域を選ぶ際、研究者の少ない領域を選ぶのが懸命だ」として、「すでに多くの人々から注目され、華やかなオーラを放ち、受賞経験もあり、多額の助成金を得ている研究者がいるジャンルはおすすめしない」と述べています。
 9通目「科学的志向の原型」では、「自分の性格は大人になってからのほうがより理解でき、より受け入れられるようになるものだが、芽生えるのは幼年時代であり、それから青年期にかけて大きく枝葉を広げていく。その後は創造的な仕事の源泉として、生きている限り存続していく」と述べています。
 10通目「宇宙の探検者としての科学者」では、「生物種のどれかひとつからでも研究科学者として輝かしい業績を築くことができる」として、ミツバチに関して数多くの発見をしたドイツの昆虫学者フリッシュが、「ミツバチは魔法の泉のようなものだ。汲めば汲むほどさらに汲むべきものが湧いてくる」と語っていることを紹介しています。
 12通目「野外生物学の聖杯」では、「すべてのアリの起源を発見する重要性は、体の小ささを考慮しても、恐竜や鳥類の起源、そして我々人類の哺乳類における遠い祖先を発見する重要性と変わらない」と述べた上で、「『小さな聖杯』を発見すれば、現実世界の知識に加えられ、永久に残る。それが別の知識体系と結びつくことで、知識のネットワークが出来上がり、科学全体の素晴らしい進歩につながることもよくあるのだ」と述べています。
 16通目「地球上で新たな世界を探す」では、「科学で重要な発見をするためには、どの分野であっても、自分が関心のあるテーマについて幅広い知識を得るだけではなく、その知識の中の空白部分を見つける能力も必要だ。まったく知られていないことは、適切に扱えば素晴らしいチャンスになる。ふさわしい問いかけをするのは、ふさわしい答えを探すよりも高い知的水準が求められる」と述べています。
 本書は、科学者の卵にぜひ一読してもらいたい一冊です。


■ 個人的な視点から

 科学者として生きていくためには大学院への狭き門をくぐっていくことも大事ですが、何よりも情熱を持ち続けることの大切さを教えられます。


■ どんな人にオススメ?

・科学者になりたい人。


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