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2016年7月18日 (月)

ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント

■ 書籍情報

ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント   【ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント】(#2542)

  松永 桂子
  価格: ¥799 (税込)
  光文社(2015/11/17)

 本書は、「現在の『ローカル志向』を解き明かすために、『地域』をベースにして、経済や消費、産業の領域から、個人と社会の方向性について考え」たものです。
 第1章「場所のフラット化」では、「人々の価値観そのものが多様化してきた今こそ、地方側では柔軟な発想で独自の取り組みを展開していく気構えが求められます。地元が定住、空き家活用、仕事の創出・企業などの枠組みをプラットフォーム化し、そこに内外の人々が集まるよう、仕掛けを自然に創出しているケースが功を奏しているようです」と述べています。
 第2章「『新たな自営』とローカル性の深まり」では、「かつて自営や生業は不安定就労で、都市下層の存在とされていました。戦前、例えば大阪市では、この都市下層や都市雑業について膨大な調査がなされ、その記録は現在でも残っています。戦前の都市問題は劣悪な労働環境である雑業の存在、そこで働く都市下層の住宅問題の解決が大きな焦点でした」と述べています。
 そして、いま注目を集めている「小商い」「ナリワイ」と呼ばれる「新たな自営」について、「これらは新技術・新聞屋の領域ではなく、従来型の産業の上にまたがる領域であるのが特徴です」と述べています。
 第3章「進化する都市のものづくり」では、「需要が飽和状態になったり、低コストの地を求めて生産拠点が海外に移行したりするなど産業経済は常に移ろいでゆくものです。そして、ポスト大量生産の時代に入ると、規模の経済によるメリットは薄れ、中小企業やスモールビジネスが主体性を持ってネットワークを構築し、『連結の経済性』や『ネットワークの経済性』といった新たな経済性が観察されるようになりました」と述べています。
 第4章「変わる地場産業とまちづくり」では、長崎県の「波佐見焼」について、「商品だけでなく、陶郷の窯元をめぐるツーリズムも展開していること」が興味深いとした上で、「産地問屋の形態は役割は大きく変わりつつ」あり、「産地問屋は、商品を集めて年に流すだけの役割から、デザインや企画、情報発信、ブランド構築を主体的に担うようになって」来たと述べています。
 そして、「地域ならではのデザイン志向を追求していくという点において、継承されてきた手仕事をベースに新たなデザインを織り込んでいく地場産業・伝統工芸と、近年、盛んに見られる古い建築をリノベーションして利活用していくまちづくりの動きは、相互に通じるものが」あると述べています。
 第5章「センスが問われる地域経営」では、「人口減少問題はマクロの視点で見れば、少子化対策を講じながらも、都市と地方の人口・資源バランスをどう図るのかという問題に帰着」するとして、「これまでの経済一辺倒の価値観だけによらない、複眼的な思想・理念の重要性が増しつつあるということ」だと主張しています。


■ 個人的な視点から

 うまく行っている事例に後追いで説明をつけるタイプの地域活性化本は経済産業省なんかがさんざんやっていると思っていたのですが、商品カタログとしては今でも需要があるようです。


■ どんな人にオススメ?

・地域を活性化する口実がほしい人。


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